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ゲームプラットフォームを持つDeNAがマンガアプリを作り、自前の編集部まで持っているのは何故なのか

ゲーム会社がリードする、これからのコンテンツIPのあり方

第一回の研究会の振り返り記事(該当記事はコチラ)で「市場が生み出した富からの分配率を高めるかについては公の場であまり語られていない」と書きましたが、こんな事例があったので紹介しておきます。

利益率を上げるために、コンテンツIPを自前で作る

ソーシャルゲームのプラットフォーム「モバゲー」を持つDeNAが、「マンガボックス」というマンガアプリを作った理由について、こんなことが語られています。

収益の柱になったモバゲーの中で、売上が上がっているゲームのタイトルを調べると、いわゆるIP(Intellectual Property/知財財産)もののゲームっていうのが大きかったのです。「キン肉マン」(ゆでたまご/集英社)や「キングダム」、「七つの大罪」(鈴木央/講談社)、「進撃の巨人」(諫山創/講談社)といった、マンガを原作としたIPを活用したゲームの売上も非常に大きいです。
 その数字をまた分析していくと、ライセンス元に対する支出もやはりそれなりに大きな金額になっている。ここが自社のIPになれば、非常に利益率が上がるだろうという、シンプルなことから始まりました。

参考:マンガは拡張する(対話篇)Webマンガと市場構造

前回の研究会の事例では「コンテンツIPを持っている側が、キャラクター使用料以外の収入をどう増やすか(体験展示や玩具に特許を絡ませて、パテント使用料も得る)」という話でしたが、今回のマンガボックスの話は「コンテンツIPを使っている側が、いかに支出を減らすか」という話です。

IPを自社で保有していきたい。そして人気IPは「マンガ」というフォーマットから輩出されるものが非常に多い。マンガであれば、ゲームと比べると投資も安いですし、自分たちでも多くのチャレンジができる。そこでDeNAでマンガのサービスを作り、最終的にはゲームになるようなIPを作っていこうという流れで「マンガボックス」を立ち上げるに至りました。
参考:マンガは拡張する(対話篇)Webマンガと市場構造

「最終的にはゲームになるようなIPを作っていく」と明確に言っているのが印象的です。まあ、昨今のエンタメ業界において、ゲーム(ソーシャルゲーム)のお金の生み出し方は頭1つ抜けている感もあるので(パチンコ関連も稼いでるでしょうが)、ゲームを出口と設定するのはコンテンツIPのあり方としては妥当な気がします。

ゲーム会社が自社作品をアニメ・マンガにする狙い

DeNAの関連会社でもあり、サイバーエージェントの子会社でもあるゲーム制作会社「Cygames」は、自社一社提供によるアニメ制作・アニメ事業部の開設・マンガアプリの開始など、ゲーム以外の分野に手を広げています。

この動きの中で目立つのは「神撃のバハムート」「グランブルーファンタジー」といった、自社制作でしかも既に大きくヒットしているゲームのIPをアニメやマンガに展開していることです。ゲームのファンをさらに開拓するつもりなのか、プレーを辞めてしまった人にプレーを再開させるつもりなのか、はたまたグッズなどゲーム以外での売上を目指すのか(Cygamesはグッズ販売サイト「Cystore」も持っている)…今後の動きを見てみたいなと思います。

ちなみに、Cygamesアニメ事業部部長の竹中氏は、アニメ単体(DVD等のパッケージ、いわゆる円盤)での収益化は難しいと発言しており、ゲームやグッズも絡めたアニメ業界の新しいビジネスモデルを作っていきたいとのこと。

いまどこの会社も考えているところですが、パッケージに縛られないビジネスモデルを確立することが重要ですね。じつは円盤(パッケージ)が売れている作品はそこまで多くなくて、実際に蓋を開けてみるとイベントチケットが付いているなど、純粋に映像作品のみで購入を決めている人は少なくなってきているのではないでしょうか。

そのため、パッケージビジネスを考えなくとも収益が見込めるようなビジネスモデルを組み立てていかなければならないと思っています。それこそ、弊社の強みであるソーシャル性やゲームなどを組み合わせてもいいかもしれません。

参考:【インタビュー】「アニメ業界の再編に」…何故Cygamesはアニメ事業部を立ち上げたのか? 事業部長に訊く

 

ゲーム会社が主体となって生み出すコンテンツIPの新しい動き、今後も追っていきたいと思います。

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