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AIが流行っているので研究会を2回やることにしました

政府の委員会でまだ語られていないことを中心に

5/25(水)と6/11(土)にAIと知的財産(主に著作権)に関する研究会を開催します。世間的には下記のような「AIによる創作物をどう保護するか」に意識が行っているようですが、研究会では別の話題を取り上げようかと思います。

AI創作物のうち、著作物に該当するような情報である音楽、小説といったコンテンツ は、著作権制度が無方式主義をとっているため、創作と同時に知財保護が適用され、権利 のある創作物に見えるものが爆発的に増える可能性が懸念されることから、優先的に検討 していくことが必要である。その際、あらゆるAI創作物(著作物に該当するような情報) を知財保護の対象とすることは保護過剰になる可能性がある一方で、フリーライド抑制等 の観点から、市場に提供されることで一定の価値(ブランド価値など)が生じたAI創作 物については、新たに知的財産として保護が必要となる可能性があり、知財保護の在り方 について具体的な検討が必要である。

参考:知的財産推進計画2016(案)本文より

日本弁理士会(東京都千代田区、伊丹勝会長、03・3581・1211)は人工知能(AI)が自動生成する知財の取り扱いについて検討を始める。著作権や意匠権などを検討して政策提言をまとめる。政府が「知的財産推進計画2016」にAI創作物などへの法制度の検討を明記した。著作権管理などの実務を担う弁理士が議論を深めることは、運用性の高い制度設計につながる。

参考:AI創作物は誰のもの?著作権・意匠権など取扱い議論 弁理士会

AIによる他者の著作権侵害リスクについて

ディープラーニング等の手法を用いてAIが学習を行う場合、大量の学習用データをAIにインプットする必要があります。学習用のデータが全て権利的にクリアであれば良いのですが、実際そうでない場合も多々発生すると思われます。例えばネットで公開されてる画像やテキストを学習に使用するのは権利侵害に当たらないのかという話です。

また、AIが生み出した創作物(画像、音楽、小説など)が他者の著作権を侵害しないのかという問題もあります。○○の作風に似せた画像を自動で作るとかまさにそんな感じですね。

ドイツ・テュービンゲン大学の研究者グループが、あらゆる写真をピカソやゴッホなどの名画調に変換するアルゴリズムを発表しました。

手法は顔認識や物体認識で話題になるディープラーニングの応用。ニューラルネットワークに任意の画家の作品を学習させ、「スタイル」と「対象」を機械的に分離することで、任意の写真に「スタイル」だけを適用できます。
参考:あらゆる写真を名画風に変換するアルゴリズム、独大学研究者が発表。画家のスタイルを抽出・適用

他者のデータを大量に使う(コピーする)という点で似た事例で言うと「検索エンジン」の事例があります。アメリカで何度か訴訟になり問題となっていましたが、日本では法改正により合法化済み、アメリカでもフェアユースの観点で非侵害とされるケースが多いようです。

ちなみに,アメリカでは実際に裁判になったケースがいくつかあります。主として画像検索が槍玉にあげられることが多いようでして,「私のサイトの画像データを勝手に収集するな!」という趣旨の訴えが権利者(=サイトの運営者)からなされています(Perfect10, Inc. v. Google, Inc.事件やKelly v. Arriba Soft Corp.事件など)。しかし,アメリカの著作権法には「フェアユース(fair use)」という法理があり,検索エンジン事業者の行為は非侵害とされることが多い模様です。

参考:ネットサービスと著作権のしくみ 第1回・検索エンジンと著作権

上記のような話について論点を明確にするために画像関係の著作権に絞って行うのが5/25(水)の研究会となります。ちなみに、前回のブログ記事は「声」について同じこと書いてます。(アニメキャラの「声」は何かの権利で守られるのか

ディープラーニングを用いたAIで画像を扱う際の著作権侵害のリスクについて ~AIの学習・利用それぞれの観点で~

AIによる創作プロセスの細分化について

AIの創作物を法的に保護する場合、AIのどのような行為が法的保護の対象になるのか(仮に著作権で見るなら「創作性が『どのプロセスに』あるのか」)が必ず論点になります。特許では指示に従い作業をしただけのテクニシャンが発明者にならないのと同様に、AIの処理のどの部分に法的保護に値する価値があるのか検討がされていくと思います。

6/11の研究会では、「星新一賞」の一次審査突破でも話題になった「AIによる小説創作(実際には人間とAIの共同制作)」を題材に、AIによる創作プロセスを細分化し、について考えたいと思います。

AIの試行の果てに生まれたドラマ〜AIに小説原作者の権利は与えられるか〜

両研究会ともに参加者募集中(5/25の回は人数制限のため抽選。5/18まで募集中)ですので、関心のある方はぜひ応募・ご参加いただければ幸いです。

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