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第2回「今後の音楽著作権の在り方とは?ネットでつながる社会においていかに音楽製作者はお金を稼ぐべきか」の振り返り・前編

音楽製作者と音楽出版社の関係について

だいぶ間が空きましたが、Smips・エンタメと知財分科会第2回「今後の音楽著作権の在り方とは?ネットでつながる社会においていかに音楽製作者はお金を稼ぐべきか」を5/11に開催したのでその振り返り記事。前回同様、客観的な内容の要約ではなく、オーガナイザーの山田が個人的に学びになったところのまとめになります。

振り返りトピックまとめ

今回も思うところが多々あり、複数記事に分けてまとめます。下記予定していますが、2つめのは書いてみたら変わるかもしれないし、3つめ以降も増えるかもしれません。

  • 音楽製作者と音楽出版社の関係について
  • テクノロジーの発展による音楽製作、音楽表現、音楽体験の変化

今回の記事は1つめに関して。

音楽製作者と音楽出版社は違う

研究会の内容を事前整理する目的の記事でこんなことを書きました。

楽曲自体は無料配信でPR、ライブと物販で稼ぐ(中略)昔はTV(ドラマタイアップ等)やラジオで露出してPRを、その後に楽曲販売で稼いでたと思うのですが、その構造が一段後ろにスライドする感じでしょうか。

参考:第2回「今後の音楽著作権の在り方とは?ネットでつながる社会においていかに音楽製作者はお金を稼ぐべきか」の事前整理

そうしたら、この記事を話題提供者の谷口さんが事前に目を通していただいており、研究会冒頭で「それは分かるんですが、それだと音楽製作者は救われないんですよ」と指摘されました。

ライブで稼げばいいとか、グッズ販売で稼げばいいとか言いますが(自分の事前整理記事も含め)、最初にそれなりの投資が必要だったり、仮にお金があったとしても手間がかかり過ぎる方法だったりで、音楽製作者というよりは音楽出版社(avexとか)の目線での話だよなと思ったわけです。

谷口さんは「音楽出版社は『著作権の管理』はしているが『著作権の運用』にまだ努力の余地がある」とおっしゃっていましたが、確かにライブとかグッズとかってアーティストというIPの運用側面が強く、管理している音楽IPの運用の側面はやや弱いような気はします。

「原作者は原作を描くのが仕事。アニメやグッズはあくまでビジネス」と言い切ったジャンプの名物編集者・鳥嶋和彦

電ファミニコゲーマーというゲーム情報キュレーションサービスの中に「ゲームの企画書」というゲームの歴史を作ってきた人たちへのインタビュー連載があります。その1つとして、あの少年ジャンプの伝説の編集者ともいわれる鳥嶋和彦さんのインタビューが出てくるのですが(なぜゲームの話でジャンプの編集者がというのはまた別の記事にて書く予定)、マンガのアニメ化やグッズ化について下記のように述べていました。

シナリオからキャラクター設定まで事前に全て決めた上で、原作者の鳥山さんに見てもらう。ただし、以降は原作者は立ち入らない。原作者は原作を描くのが仕事だからね。作家に見せるとつい彼らは感想を言いたくなるのだけど、アニメ化やマーチャンダイズはあくまでもビジネスでしかないからね。

参考:伝説の漫画編集者マシリトはゲーム業界でも偉人だった! 鳥嶋和彦が語る「DQ」「FF」「クロノ・トリガー」誕生秘話

もし作家の預金通帳にお金がちゃんとあれば、彼らは嫌な仕事をする必要がなくなる。次の作品を練るべきときに、焦って変な仕事だってしなくていい。(中略)僕はよく漫画家に言うんです。「お金はしっかり稼ごう、君はお金で時間を買うんだ」って。編集者はそのために稼がせてあげることが、何よりも大事なんです。

参考:伝説の漫画編集者マシリトはゲーム業界でも偉人だった! 鳥嶋和彦が語る「DQ」「FF」「クロノ・トリガー」誕生秘話

音楽とマンガを単純に比較するのは難しいとは思いますが、出版社の役割を強く感じさせる重みのある言葉だなと思います(と言いつつ、当時のジャンプ編集部でこんな考え方をする人は鳥嶋さん以外にいなかったようですが)。

クリエイターにとって良いルールを作る人がいない

宇宙兄弟やドラゴン桜など、数々のヒット作品をクリエイターと共に手がけたコルクの佐渡島さんは、大手出版社である講談社から独立して作家のエージェントになった理由をこのように述べています。

作家にとって良いルールを考えている人が少ない。出版社にとって良いルールとか、レコード会社にとって良いルールはたくさんあるんですけど、クリエーターにとって良いルールを作ることについて誰が考えているのだろう、と世間を見渡してみてもあまり見当たりません。ならば、僕がやってみようと考えるようになりました。

参考:佐渡島庸平氏(前編)~敏腕編集者が語るヒット作を生み出す秘訣~

フリーの編集者ではなく作家のエージェントをすることにしたのは、出版社の利益ではなく作家の利益を一番に考えられる立場でいたいからとのことでした。

ぼくは普段の仕事でUGC(ユーザーが作るコンテンツ)絡みの仕事もしていますが、「ユーザー」「ユーザーの創作活動を支援するプラットフォーム」「そのプラットフォームを支えるユーザー以外の支援者」のそれぞれとどう接していくか、その時々でどこを見ているかを忘れてはいけないなと考える良いきっかけとなりました。

振り返り2つめに挙げていた「テクノロジーの発展による音楽製作、音楽表現、音楽体験の変化」については、次回の研究会が落ち着いたらまた書こうと思います。

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